【第4回】仮想化環境の構築(3)

 皆さま,こんにちは. 迷子のエンリュです.

 前回はVMwareをインストールしました.今回はいよいよ,ゲストOSをインストールしていきます.ゲストOSとは仮想化マシンを動かすOSのことです.ホストOSの中でいくつかのゲストOSが稼働する形になります.VMwareを使って新規マシンをどんどん作っていくことで,一台のコンピュータであらゆるOSを動かしたり,仮想ネットワークを作って通信させたり,ということが可能になってきます.何だかわくわくしてきましたね.

 それでは早速始めていきましょう.よろしくお願いいたします.

ISOイメージのダウンロード

 VMware仮想マシンを構築するときは,OSインストールのためのISOイメージというのが必要になります.お店でOSを買うときはCD/DVDとして買うと思います.あのディスクに焼かれているソフトウェアのデータがISOイメージファイルなのです.ですから,市販のOSイメージを買ってきてドライブに挿入してもいいのですが,今回は無料で配布されているISOイメージをWebサイトからダウンロードしようと思います.

CentOS 6.8 のダウンロード

 今回インストールするのは,LinuxRedHat系OSで,サーバのOSとしてよく用いられる「CentOS」です.2016年10月16日現在,最新バージョンは「CentOS 7」ですが,まずはそのひとつ前のバージョンである「CentOS 6.8」をインストールしていこうと思います(理由はそのうち独りごとのコーナーで).

 CentOSのイメージはCentOS Wiki|ダウンロードページから無料でダウンロードすることができます.

CentOS Wiki|ダウンロードページ

f:id:LostEnryu:20161016225443p:plain

 CentOS Linux Version が6となっている行のCD and DVD ISO imagesから,x86_64を選びます.すると,指定したISOイメージをダウンロードできるリンクの一覧が表示されます.ここから適当に一つ選んでダウンロードします.これはどれでもいいです.私はいつも一番近そうなところを選びます.

f:id:LostEnryu:20161016225727p:plain

 リンクに飛ぶとisoイメージの一覧がずらっと表示されます.

f:id:LostEnryu:20161016225757p:plain

 今回使うのはCentOS-6.8-x86_64-bin-DVD1.isoというものです.LiveCDやLiveDVDというのはインストールしながら必要ファイルをオンラインでダウンロードしてくるものなので,インストールに時間がかかります.binはあらかじめ全部ダウンロードするので,インストール作業がオフラインでできますし,比較的早く終わります.ただ,4 GB近くあるので,ダウンロードには時間がかかります.お気を付けください.

 それでは,ダウンロードが終わるまで休憩~♪

CentOS 6.8 仮想マシンの作成

 ダウンロードは終わりましたでしょうか?

 お疲れ様です.それでは早速仮想マシンを作成していきましょう.前回インストールしたVMwareを起動してください.

f:id:LostEnryu:20161014200440p:plain

 ホーム画面(画像)の右側の「新規仮想マシンの作成」か,上のメニューバーからPlayer > ファイル > 新しい仮想マシンの順で仮想マシン作成ウィザードを起動させます.Cntl + Nでも起動できます.

 まずは簡易インストール機能を使ってお任せで作成してみましょう.  2番目のラジオボタンインストーラディスクイメージファイル(iso)」を選んで,参照から先ほどダウンロードしたISOイメージを選んでください.

f:id:LostEnryu:20161016225923p:plain

 選択するとOSが検出され,このOSは簡易インストールを使用しますと表示されます.「次へ」を押して次に進みましょう.

f:id:LostEnryu:20161016230001p:plain

 まずは,ユーザ情報を入力していきます.パスワードはできるだけ強固なものを設定します.間違っても空欄にしたり,passward12345678qwertyなどのわかりやすいものにはしないようにしましょう.入力したら「次へ」.

f:id:LostEnryu:20161016230042p:plain

 仮想マシンの名前は「CentOS 6.8」としておきます.ここは何でもいいですが,あとから「CentOS 7」も作成することになるので, 区別できるようにしましょう.場所には仮想マシンの設定,状態,ハードディスクのデータなどを格納するフォルダを指定します.かなり大きなデータになるので注意が必要ですが,特に問題ないようでしたらデフォルトで構いません.

f:id:LostEnryu:20161016230224p:plain

 次に進むと,ディスクのサイズが指定できるようになっています.ここはデフォルトでいいでしょう.足りない場合は,あとから追加することもできます.

f:id:LostEnryu:20161016230303p:plain

 次の画面で,設定を確認できます(画像では仮想マシンの名前が違っていますが,「CentOS 6.8」になっていればOKです).ハードウェアのカスタマイズもできますが,今回はこのままで作成していきます.最後に「完成」を押せば,仮想マシンのファイルが作成されてOSのインストールが始まります.

仮想マシン起動とOSのインストール

 インストールはすべて自動で進んでいきますが,とても時間がかかります.気長に待ちましょう.

f:id:LostEnryu:20161016230344p:plain

 ちなみに,OSのインストールはAnacondaというプログラムが実行していきます.インストールは/root/anaconda-ks.configというファイルにしたがって行われます.

GetCentOS68_5.PNG

 インストール作業は

  • 各種パッケージやLinuxカーネルのインストール
    • 15分ほど
  • ポストインストール作業
    • 5分から10分ほど
  • OSの起動,各種設定
    • 5分ほど
  • VMware Toolsインストール
    • 5分ほど

と進んでいきます.

 全体で30分ほどでインストール作業は完了し,ログイン画面になります. GetCentOS68_a.PNG  画面をクリックするか,Cntl + GでゲストOSに入ります.この状態になるとマウスの移動やキーボード入力などがゲストOSに反映されるようになります.逆にホストOSの操作はできなくなります.ウィンドウを動かしたり,サイズを変えたり,横のスクロールバーを動かしたいときには,Cntl + Altで制御をホストOSに戻す必要があります.それでは,ログイン画面のアカウント名(画像では「Lost Enryu」)をクリックして,最初に決めたパスワードを入力しましょう.「Login」ボタンを押すと,デスクトップ画面が表示されます.

f:id:LostEnryu:20161016230513p:plain

 ちなみに,このデスクトップはGNOMEといいます.CentOSのデスクトップはGNOMEKDEという2種類の環境があります.デスクトップ環境によって見た目や操作が大きく違ってくるので注意しましょう.

 これで,OSのインストール作業は完了です.これからの演習は,この仮想化環境で行っていくことになります.

 ゲストOSの画面がウィンドウサイズに合っていなかったりして,このままでは使いづらいですね.キーボードの配列も少し違うようです.まずは設定を色々変えないといけないですね.次回は基本的な設定を行っていきます.

VMwareから強制シャットダウン

 それでは今回はここまでです.お疲れさまでした.

 仮想マシンのシャットダウンは,基本的にはゲストOS内から正規の手順でシャットダウンさせるのが理想ですが,それは次回以降ご紹介するとして,今回はVMwareから強制シャットダウンの信号を送って終了する方法をお教えいたします.

 何か問題が発生してゲストOSが止まってしまったときなどは,この方法で強制終了したり再起動したりします.

 VMwareウィンドウの上のメニューバーから停止マークを選び,「ゲストをシャットダウン」をクリック.確認画面でEnterキーを押せば終了処理が始まります.

f:id:LostEnryu:20161016230609p:plain

 それではお疲れさまでした.

問題が起こったらすぐにグーグル先生に聞きましょう

Previous | Top | Next

Prev: 【第3回】仮想化環境の構築(2)

Next: 【第5回】CentOSの歩き方 GNOME編(1)

Index
Journey